宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』扶桑社
ゆっくりと木洩れ日の下で歩いているような本。
生きていくこと。暮らしていくこと。それらが詰まった、宝物のような本だった。
ひと口ひと口が、料理のひと品ひと品が、今の自分を作り上げていく。
手をかけ、命をいただくこと。使う鍋ひとつにも、それを食べる自分や家族の姿が刻まれていく。
好きなものを好きなように作って、食べていい。空を見上げながら、好きなことを好きなようにしながら胸を張って生きていい。
当たり前のそのことを、お皿に乗せてそっと目の前に差し出すように教えてくれた。
大切に想うひとにこの本を贈りたい。
この本に流れる幸せな時間を、ぜひ感じてほしい。
#とりあえずウミガメのスープを仕込もう。 #NetGalleyJP
宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』扶桑社
978-4-594-07983-3
瀬尾幸子『うれしい副菜』新星出版社
1冊、自分の横にあるだけですごく安心できる本。
パラパラめくるだけで「これ食べたいなあ」ってメニューがいくつもビジュアルで飛び込んできて、作り方の手順も大体3~4手順でできる。材料も難しくない。
お料理慣れしている人にはきっと、当たり前に思いつくのかもしれないくらい簡単に作れるメニューだけど、それが手に届くところにいつでも置いてあるだけですごく安心感があるのだ。
副菜としてはもちろん、それだけじゃなく、ひとりごはんなのに作ることが面倒でついつい外食等になってしまう時、また遅く帰ってきた旦那さんにそっと出してあげたい時なども、ほんの少しの手間で気持ちにゆとりが持てる。
どんな野菜を常備しておこうかな、ということも本を見ながら考えられるので、いろんな栄養のかたまりのような本。
#NetGalleyJP #うれしい副菜
瀬尾幸子『うれしい副菜』新星出版社
978-4-405-09348-5
フジスーパー・グルマ・ヴィラ比較
こどもの日。日系スーパーのフジスーパーには鯉のぼりが揺れる。
柏餅も節分も年越しそばも、フジが置いてくれるのを見て思い出す。
日本人が多いエリアにいるので、狭い範囲にフジスーパーは4店舗。
それプラス、自分がよく行くのはエンポリ、エムクオーティエ等の中にあるグルメマーケットと、欧米系?のヴィラマーケットだ。
一番好きなのはグルマ。
日本のものも含め、世界中の物が置いてある(気になる)。
タイローカルの野菜や果物もその3つのスーパーの中では一番充実してるし、先日書いた生ライチも今のところグルマでしか見ない。
ちなみに海ぶどうも、グルマでしか見ない。ポン酢的なソースと辛っい青唐辛子ぽいソースのふたつ付き。
タイの高級スーパーなのでもちろんタイローカル向け、日本人含め海外駐在員が多いので輸入物、観光客向けのお土産物が網羅されていて片っ端から試してみたくなるし見てるだけでも楽しい。
逆に、フジ、ヴィラに比べても広いので品物の種類も多く、例えばサバ缶ひとつ買うのにも、味付けや産地(タイローカル、輸入品)の違う数十の中から選ばなきゃいけないのが、元気じゃないときには自分はストレスだ。
ヴィラは、欧米系の輸入品やお肉、チーズに強いイメージ。
といってもプロンポン駅前のお店は広くないので、トンローの大きいヴィラはやっぱりグルマのようにうきうき感だけど、普段はキャンベルスープやパスタのセールを狙って行ったり、お気に入りのチーズ(最近グルマにもあるのを発見したけどこっちの方が安い)買いに行ったり。
200B越えないとクレジット使えないのがちょっとネック。
対するフジは、なんといっても日系の安心感。
グルマのような楽しさはないけど、日本のスーパーと陳列配置が近いからか何のストレスもなく、急いでるときはここでぱぱっと揃えてしまう。
もちろん日本の輸入食材はここが一番充実。
長ねぎ、長芋などの日本野菜(タイ産)もフジでないとないことが多い。
あ、あとは薄切り肉!!牛肉は専門店で買うので自分は買ったことないけど、豚のしゃぶしゃぶ用的な薄さのお肉はフジでないと売ってない。
日本人にしか需要がないようで、他のお店の薄切りはしょうが焼きの薄さまでしか見たことないなあ。
日本語フリペ置場もあるので、フリペ調達スポットでもある。
しかし、日本のような定価があるんだかないんだかなので、お店によって同じものの定価が違うことも。輸入物は分かるけど、タイ産の缶ジュースとかでも違ったりするし、たまにセールだったりもあるのでぐるぐる散歩を兼ねて巡回の日々。
映画鑑賞の楽しみ
映画を観るときの楽しみは、実は本編が始まる前にある。
大量のCMや映画予告も面白いけど、それと本編の間の国王賛歌。
いつも自分はそれを楽しみに待っている。
タイでは本編前に流れる国王賛歌の間は全員起立。
その歌の間の映像が、映画館(多分)や時期によって変わるのだ。
昨年~今年は、前国王様から現国王様への移り変わりもすごく感じられた。
そして映画を観るといつも、英語やタイ語の勉強したいなあと思う。いつも思うだけで、映画を観てる間に忘れる。
言葉が分かりたくなるひとつには、英語さえ分かればもっとたくさんの(英語圏の)映画が観られるから。
当たり前だけど、日本の違ってタイでは英語の映画につく字幕はもちろんタイ語だけ。英語さえ分かれば、日本にいるときより早く観られる映画もあるのだ。
それと、タイ映画を観たい。そしてCMも、何て言ってるか知りたい。
日本で邦画に字幕が付かないように、タイ映画はタイ語のみ。(万一仮に字幕が付いたとしても英語だろう…。)
CMの端々にも「映画を観る」とか「持ってない!」とかたまに分かる言葉の片鱗(タイ語)があるだけに、ちょっとがんばったら分かるんじゃないか的な欲が出るんだなあ。
しかしタイの映画館は、映画がエンディング(スタッフロール) になるともう出口が開き照明も明るくなる。
続々とお客さんも出ていく。
最後まで観る派なので気にしないようにして座っているけど、出口に立つスタッフの人の視線が気になったりとか。とかとか。。
映画鑑賞のすすめ
言葉が分からないから映画も観れない。
…そんなことなかった。
タイ語も英語も分からなくても、日本映画がかかる時に観に行けばいいのだ。
念のためオリジナルサウンドトラックかどうかは気にしなきゃいけないけど(吹替だと…( ´_ゝ`)うん。ね。。意味ない…)、画面下にタイ語/英語の字幕が付くだけでちゃんと観られます。
なんとなーく気が向いたときに映画館サイトをチェック。といっても、自分はこのふたつだけ。
・ SFシネマ(terminal21・centralworldなど)
・ MAJOR(エムクオーティエ・パラゴンなど)
自分は、この中から日本映画ぽいのを探しだすのが地味に苦手だったり。タイトルも英訳されてると、すぐには分からなかったりするし。
まだterminal21とエムクオーティエしか行ったことはないけど、両方機械でチケットは買えるし言葉の心配もなし。
その2ヶ所はだけど、日本と違って館外の飲み物の持ち込みも何も言われないので、ゴージャスにスタバのほうじ茶ラテ(ホット)持ってったり、お手軽なフードコートのタイティー(ホット)持ってったり。
あと忘れなければ大判ストール。映画館寒すぎる…。さぶいぼ全開でいつも観てる。
伊坂幸太郎『AX』角川書店
家庭での暮らしと殺人稼業。
どちらにも非日常性や優位性を感じることなく並列で続いていく日々。読み進めるとそれは、とても新鮮な気持ちですとんと自分の中に落ちてくる。これまでの自分の価値観を、ものともしない文章に乗せて。
守るべきものはなにか。一番大切なものはなにか。
方法ではなくその一点のみに強く心を揺さぶられる物語に、自分の家族、守るべきものの存在を思い出さずにはいられなかった。
伊坂幸太郎『AX』角川書店
978-4-04-105946-3
門井慶喜『新選組の料理人』光文社
常識も背景も今とは違う、歴史の中のこと。
その舞台にあっても難しく引っ掛かりを覚えることもなく、すんなり自分の中に、物語が染み込んでくる。
家族への思い。進む道への迷い。現代人の私たちと同じ感情は、当たり前だけれど彼らも持っていたのだということを深く感じられる一冊でした。
#新選組の料理人 #NetGalleyJP
門井慶喜『新選組の料理人』光文社
978-4-334-91222-2