日々の徒然

ごはんと旅と、本と犬と。現在バンコク在住。

クリス・コルファー『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ(1) 願いをかなえる呪文』平凡社

ファンタジーで外国文学。
苦手意識を持つ人も少なくないかもしれないけれど、本を開いてすぐに飛び込んでくる「白雪姫」の名前に、途端に興味を惹かれる。

 

“「むかしむかし……」(中略)この言葉を耳にした人には、すぐに招待状が届きます。誰もが温かく迎えられ、どんな不思議なことも起こる、そんな世界への招待状が。”
文中のそんな言葉に、登場人物と一緒にワクワクした。

 

幼い頃から誰しもが当たり前のように知っている昔話の世界。

だけど知っているようでいて全く知らなかった彼らの、童話の登場人物ではなく人間としての生き方を、自分も当時より少し大人になった目線で考えることができる。
親しんだ童話の世界の彼らのことを、またこの本そのもののことを、隣に座る友人のように感じられる大切な一冊。

想像のなかだけではなく、ぜひ、映像としても見てみたい。

 

#ザ・ランド・オブ・ストーリーズ #NetGalleyJP

7月4日発売予定

クリス・コルファー『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ(1) 願いをかなえる呪文』平凡社

(THE LAND OF STORIES) 田内 志文 :訳

978-4-582-31511-0

www.heibonsha.co.jp

リドシアター最終日

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チケットカウンターには、開店前から列ができていた。

その列を、チケットを求める人を、映画館を惜しむ人を撮りに、テレビカメラも来ていた。

 

3スクリーンあるけれど、最終上映は20:45からの「坂道のアポロン」。

最終日の今日が、初日の映画。

一日しか。厳密には今日の4回しか上映できないのに新しいものを入れる姿勢。

そして奇しくもその映画館の最終上映となる映画が日本映画だったこと。

様々な気持ちが入り乱れながらの、自分自身も最初で最後になるリドシアターでの映画鑑賞。

 「坂道のアポロン」はこの先何回も、リドシアターとセットで思い出すことになるんだろう。

(最終上映は完売で入れなかったけど。)

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勝手にここの名物だと思っていた、モギリ?兼ドアマンの黄色いおじさんも見納め。。

でもそう思ってるのはわたしだけではないようで、どの人も大人気でいっぱい写真撮影を頼まれてたなあ。

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 この後にはここはどうなるんだろう。

ローカル感が強くてしり込みしてたけど、ほんともっと早く勇気を出して来てみればよかったなあ。

 

http://www.apexsiam-square.com

Lido Multiplex
256 พระราม 1 Khwaeng Pathum Wan, Khet Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330 

https://goo.gl/maps/fGHUWrut1LP

BTSの優先マーク

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日本にもある電車の優先席。

体の不自由な方や妊娠中の方云々と車内でよく放送しているけれど、シルバーシートという名前のせいかどうしても“お年寄りの席”感を感じてしまう。

 

ところ変わってバンコク。

何度も乗っているBTSに、お坊さん優先マークを発見。

お坊さんは日常的に見るしチャオプラヤ川の船などではよく見るけど、そういえばBTSで会ったことはないかも。

 

女性としては、触れないようにちゃんとよけたい気持ちは持っているものの、

日々のBTSの混み具合を考えるとちょっと不安は隠せない。。

もし日常的にお坊さんもBTSを使うようになったら、

日本とは逆に、お坊さんも女性も安心して乗れる男性専用車を作ってほしいなあ~。

 

あ、でもその前に車輌を増設してほしいなあ~~。

ホームの長さはまだ足りると思うんだけど。

リドシアター

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BTSサイアムのすぐそばにあるリドシアター。

ここで映画観たいな、と思いつつもタイミングが合わず今まで来てしまっているけど、古き良き映画館、て感じの趣きで、いつも横浜のジャック&ベティを思い出す。そんな感じ。

 

とは言っても、初めてここに来た1年前はそんな心の余裕もなく。

この2Fにあるバナナスイーツ屋さん「クルアイクルアイ」に来たくて迷いこんだものの、あまりの非日常な風景に蹴落とされ、お店を見つける前に撤退。

今見たら別に普通の景色なんだけど、日本から来たばかりの自分には薄暗く、所々シャッターも下りてて現地の人がたむろしているこの2Fのお店がある辺りは怖いとしか思えなかった。タイにもタイ人にも、まだ気持ちが全然なじんでなかったんだろうなあ。

 

今は無事にクルアイクルアイにも食べに行けるし、あとよく立ち寄るのは1Fのメイン入口真正面にあるDVD屋さん。

タイのと、各国の映画やアニメのDVD(一部Blu-ray)があって、多分100%タイ人向けなんだけど、映画と同じく日本映画ならオリジナル音声が日本語なので観れるよ!!という。

日本作品以外は全部、タイ・英語どちらかが分かれば楽しめるけど、日本語字幕/吹替が入ってるものはないのでしょんぼりなかんじ。英語分かりたい…。

 

最初リージョンが違うから日本では観れない、て聞いてたけど、今のところ日本から持ってきたPS4で観れてます。他の機器で観れるのかは知らないけど。

 

 

しかし今月5月末で閉館、とニュースが出たリドシアター。

映画館自体ももちろんだけど、そのDVD屋さんと2Fのクルアイクルアイがどうなるのかが気がかりで…。
行ったとき、「今夜ロマンス劇場で」がかかっていたからここで観ればよかったなあ。そして「坂道のアポロン」がComingsoonなんだけど、ほんとにやってくれるのかしら…。ポスターによると5/31~なんだが…。。

塩田武士『騙し絵の牙』KADOKAWA

出だしから出てくるいくつもの名前を最初は覚えられず、何度かページを戻りながら読んだ。元々登場人物の名前を複数覚えるのが苦手なせいだけれど。

けれど文字を追ううちにいつの間にかそんなことも忘れ、物語と現実が混ざりあっていく。

 

歩く度に足元の砂が崩れていくような、胃の痛くなる仕事。章ごとに深まる悲哀と苦痛が、章の口絵(?)になっている大泉洋さんの顔にも滲み出てくる。

まだ半分…、まだ…まだ終わらない…。次々と地雷のような出来事が埋まっている戦場を、頁数を見ながら追われるように読む。読んでいてこんなに早く終わって欲しいと思う小説もなかなかないかもしれない。けれど目を離せない。

家族、仕事、苦しい、辛い。物語の中の八方塞がりな生き方は、決して本の中のこととも他人事とも思えなかった。

社会や会社、家庭に追い詰められていく姿が自分とも友人とも家族とも重なっていく。

 

この本の本題ではないんだろうけれど、さらさら音をたてて崩れていく砂の城を両手で支えるような毎日は、誰もが大なり小なり感じているものだと思う。指の間からもこぼれ落ちていく粒に無力感を感じながら、けれど進むしかない。後戻りもできないし、その砂の城を投げ出して逃げることも、よほどの覚悟がないとできない。

少しずつ本当の自分を押し殺して、生きていくための仮面を被る。そうしている自分を、この本を読んで気づかされた。

 

塩田武士『騙し絵の牙』KADOKAWA

978-4-04-068904-3

www.kadokawa.co.jp

ベンジャシリ公園

曇っていて珍しく涼しめだったのでBTSプロンポン隣のベンジャシリ公園へ。

いつも気にはなっていたものの、暑いし蚊とかの虫は気になるしで遠目から見るだけだった都会のオアシス。

できることならピクニックやベンチで読書、とかしたかったので散歩がてら初潜入。

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犬は連れてっちゃ駄目、っていうのは聞いていたもののほんとに看板が。

トイレの問題とかなんだろうけど愛犬家としては残念な限り…。野良犬は入ってこないのかなあ…。

 

ここはシリキット王妃の還暦をお祝いして作られたそうで、そのせいか整備も行き届いていてとっても綺麗。

剪定もきちんとされていて、ベンチも並び、ほんと気温と湿度さえ気にしなければ毎日いられるなあ~。

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涼しい気持ちのいい日だったので、せっかくだしベンチで読書。

すると、少しして上から葉っぱや枯れたお花がいくつもいくつも舞い落ちるように。 

「突然なに?雨?」と見上げて目を凝らすと、近くの木に登っていたリスが揺らしていたせいでした(*´∀`)

 

隣のダイナソープラネットの解体と思われる工事の音は響いてくるけど、車の音よりは鳥のさえずりが聞こえ、現代アートが点在し、風が吹き抜ける静かな落ち着いた空間。

ゴミも全然落ちてないし。

自力で行ける好きな場所が、またひとつ増えた。

 

いつか設置してある屋外ジムを体験してみたいけど、、

タイのおじさんがよくやってるの見るからな…。ちょっと勇気いるな…。

工藤ノリコ『ノラネコぐんだん アイスのくに』白泉社

まずかわいい。
表紙を見た瞬間に。ページを開いた瞬間になによりもそこにまず、心がときめく。


絵本とは子供のもの。それはもちろんそうだけれど、その水彩のようなやさしい色づかい、コミカルなキャラクターには、もうとっくに子供時代を卒業している身でもすごく惹き付けられる。

 

「あの子はなにしてるのかな?次のページではどこにいるかな?」「あんなところにあんなものがあるね」と、ひとりでも子供と一緒でも楽しめる、おやつのようなひとときでした。

 

#ノラネコぐんだんアイスのくに #NetGalleyJP

 

工藤ノリコ『ノラネコぐんだん アイスのくに』白泉社

978-4-592-76220-1

www.hakusensha.co.jp